校長メッセージ 各教室で動画を見てもらいました
学校再開に当たって「大切にしてほしいこと」
2020年5月25日
みなさん今日から学校再開ですね。長い休校の間どのように過ごしていましたか?
いろんなことがあったと思いますが、感染予防に気をつけ、命を守る取組をした結果、みんなが元気に学校に戻ることができたことを一緒に喜び合いたいと思います。
その喜びの気持ちともどかしいと思っていた気持ちを大切にしてほしいと思っています。
また、長い休みの中で抱えたストレス、不安や心配事もあります。不安がどこから来るのか、何を考えたか見つめ続けてください。友達や先生に話すことで気持ちが楽になるならば、お互いが助けあえる存在になれます。まさに「ピア、サポート」です。
では、私なりに振り返って気づいたこと考えたことをお話しします。
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まず、動画を見てください
新型コロナウイルスによる死者が一時、世界最多に上ったイタリアの北部、1日に800人もの人が亡くなったベルガモという町の人たちの姿です。医療従事者への支援のために作られ、toutubeで聴く著作権を病院に寄付されました。すでに1500万人以上の人が聴いています。
「Rinascero’,Rinascerai 」リナシェロ・リナシェライ イースターにちなんで「復活」ですが、(今は生きるのも難しい状況だけれど)わたしは、このままでは終わらないよ、必ず生まれ変わるよ。あなただって同じだよ。(だから、決してあきらめないで……)
未来の私とあなたは、決してこれまでと同じではないんだよという気持ちを歌っています。テロップは私が頑張ってつけました。聴いてください。
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必ず生まれ変わるよという希望と決意が伝わりましたね。皆さんも生まれ変わるのです。
イタリアは、3ヶ月外出制限が続いていて、先週の18日に解除されました。
ウズベキスタンで出会った高校生とインスタで尋ねましたが、まだ、外出禁止で、車にも乗れない。検疫があり、学校もZoomによる授業だけで、試験もOnlineで行われると言っていました。
世界の多くの人々は、まだまだ、ロックダウンした街に閉じ込められています。これからアジアやアフリカへ拡大していくと言われています。
この休みの間に、「ペスト」という本を読みました。50年ほど前に書かれた本ですが、
今のコロナの世界が預言されていました。
世界の歴史の中で何度も流行し、14世紀には人口の8割がなくなるという感染症のすざましい様子が書かれています。人間が人間の尊厳を失っていく姿、そして病のピークが過ぎ去った後の人々の喜び、自由を求める姿が100年後の今と重なります。そして、次のような警告もあります
「私たちが忘れた頃にまた、人間に、不幸と教訓をもたらすために、再びやってくるであろう」ということも書かれています。
「京都府の緊急事態宣言も解除」と21日に報道がありました。
宣言は、人間が決めたもので、解除した府県や国であっても、第2波、第3波の大流行が今、心配されています。
コロナは、どこかに潜んで生き続けます。ワクチンが開発されても、ウイルスが突然変異を起こしていくために効かないかもしれません。1年・2年の長期戦になるとIPS細胞を発見した山中伸弥教授も言っています。
◇困難の中で
さて、そんな中で、京都府北部の学校の多くが、今日から再開です。
長い休みが続きました。
皆さんは、これまでの事態をどう捉え、学校再開という今をどのように感じていますか。
「突然、打ち切られた日常」でした。1年生は数日の高校生活が中断しました。学校が突然なくなって初めて、何気無い日常の大切さを感じる事ができました。学校が担っていたものに気づきます。
1年生も入学後数日で中断です。
友との何気ない語らいやおはようの挨拶、みんなで一緒にする活動、行事、協同の学びなどなど、普段、当たり前にできていたことのありがたさを身にしみて感じる事が出来ました。登校日にも笑顔が戻っていましたね。
部活も停止。インターハイも、野球の大会も中止でした。突然無くなった目標。新しい目標を立てて前に向かうしかありません。
そんな時期を越えて、今日の日があります。「やっと元にもどった」「ホッとした」という気持ちですね。けれど、前と同じ自分に戻ったのではありません。
Stay Home の中で見えてきたものは何だったでしょうか。
◇Post Corona with Corona
新しい生活様式が提唱されています。
Social Distance・人との間隔をあける。対面しない。マスクをして喋らない。三密の解消などが勧められます。
感染予防にはこれからも必要なことですが、まさに、コロナは人間の最も人間たる部分へ食い込み、分断を狙っています。
皆さんの感じた不安―それは、見えないウイルスへの不安とともに、人間の頼りなさや思い通りにいかない不条理な気持ちもあったと思います。それを大切に取扱い、書き留めておいて欲しいのです。
また、私たち誰もがStay Home の中で感じた、「人に会いたい」「つながりたい」「いっしょに学びたい」という気持ちは、人としての自然な欲求です。
Zoomでできたことはたくさんあります。けれど、もどかしく感じたことの中に大切なものがあります。それが、AIの時代になっても残っていく、人としてのかけがえのないものなのだろうと思うのです。
学校が始まります。友達にもずっと会える。1時間1時間を大切にし、人や物や出来事との新しい出会い、新しい学校生活を作っていきましょう。
現実は厳しい。
しかし、社会の現実もまたみなければなりません。
コロナによる経済不況は、会社の採用も大きく変えるでしょう。
ANAのような大きな会社も今年は、求人を見合わせと言っていますし、舞鶴での就職も厳しい。戦後最悪の就職氷河期と言われています。そのあおりが高校生にもやってきます。大学入試のアウトラインも見えません。親の仕事がなくなって進学を断念せざるを得ない人も出てきています。
家族の一員として、また、我が事として悩んでください。9月入学の検討など、いろんな事が動いていく時代です。日本中がこうですから、焦っても仕方がありません。現実をしっかりと受け止め、ピンチをチャンスに変える事が出来ないか考えるのです。そして今、自分のやるべきこと、できることを確実にやっていきましょう。悩みを相談する先生や友達の存在、クラスメートが互いを支え合う事がとても重要になってきますね
◇「マナビヲトメルナ」×ICT
先生たちも頑張ってきました。「一人ぼっちにしない」「生活習慣を崩さないでほしい」「学びを続けて欲しい」との先生たちの熱い願いが、新しいチャレンジを生み出しました。
学校から在宅勤務から生徒とOnlineでつながります。「Onlineだけれど、クラスのみんなに会えて安心だった」「Online朝礼でみんなの顔を少し覚えることができた」といってくれています。
Onlineであっても出会う大切さを教わります。互いに気遣い、困難な毎日を一緒に乗り越えてきた仲間です。
みなさんも少しでも互いに意見を交流時間がもてました。集中してやった人が多かったと思います。これからの教室での授業でも、学びの主人公として、互いが繋がり学び合う事が出来ますよう願います。先生方の取り組みを見てください。
(動画)
◇ 「喜んで人のために」×愛 To be for
コロナとの闘いで、医療従事者をはじめ、多くの人が私たちのくらしを支えてくださっていることにも気づかされます。
看護科の人たちは、過酷な状況下に使命感をもって働く先輩の姿を将来の自分と重ねます。厳しい現実とそれでもそれに向かう勇気をいただきます。
コロナは、環境や自然破壊、経済優先など私たちの自己中心的でいきすぎた行動の結果だとも言えます。工場や飛行機が止まって、青い空が見えた国もあります。反対に、世界中でZoomを使いこれだけのコンピュータやインターネットの利用が進むことが、環境にどんな負荷を与えていくかも課題かも知れません。これからはそうしたことに気づき解決の方法を考えていく力が必要です。
◇イマデキ みなさんは、高校生です。支援される人でもありますが、支援できる人でもあります。だから「自分たちにできることは何か」を考えて欲しいのです。
看護科生は、お世話になった高齢者施設に手作りマスクを届けようとして突然の休校に止まっています。でもまだまだ、必要としている人がいます。
「先生、学校が休みになって、みんな何をしているのだろう。お互いを知ったり、励ましあったりしたいですね。」と話してくれました。自分がしてもらって嬉しいことを、隣の人から、クラスのみんなと考えて欲しいことです。余ったマスクを集めようとの動きも聴きました。私たちの小さな気づきが、ほんのちょっとの想像力が、小さな勇気が、世界を変えていきます。
◇人は、人を勇気づけられる存在です。
チアリーディング部のメンバーが、日星を元気に、舞鶴を元気に、そして世界を元気にと作ってくれた動画です。みてください。
Stay Home から Enjoy SchoolへMake Yourself with many friends in Nissei
負けないで、みんなで新しい学校生活作っていきましょう。