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舞鶴市吉田に位置する嵯峨根農園では、年に2回のサイクルでトマトを栽培しています。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育つトマトは、地元で愛される逸品です。今回は、嵯峨根農園のトマト栽培について、農園主の嵯峨根さんにお話を伺いました。
嵯峨根農園で栽培しているトマトの品種は「みそら64」。実はよく知られた場所でも使われている品種なのだとか。
嵯峨根さん:
「うちのトマトはみそらという品種なんです。大手ハンバーガーチェーンで使われているトマトと一緒で、少し皮が固めで酸味があって、昔ながらの味わいが後で美味しいんです。」
「みそら64」は大手ハンバーガーチェーンでも使用されている品種で、その特徴からハンバーガーにぴったりという評価を得ています。
嵯峨根さん:
「このトマトはゼリーの部分の部屋数が多くて、輪切りにした時に中身が流れ出にくいんです。だから食べごたえがあって、料理に使いやすいんですよ。」
最初に目を引くのは、真っ赤に熟したトマトの美しさです。市販のトマトとの大きな違いについて伺いました。
嵯峨根さん:
「私たちは木で熟成させたトマトを収穫しています。一般的なトマトは追熟というかたちを取っているため、完熟前に収穫しています。でも私たちのトマトは、木についたまま完熟させるので、本来のトマトの味が楽しめます。」
嵯峨根農園では「完熟ぼり」と呼ばれる収穫方法を採用しています。「ぼる」とは舞鶴地方の方言で「収穫する」という意味です。
嵯峨根さん:
「大量生産と違って、一つ一つ丁寧に収穫して、丁寧に引き上げて袋詰めしています。大手の生産地では青いまま収穫して、ベルトコンベアでゴンゴロゴンゴロと運ぶので、完熟でやるとつぶれてしまうんです。でも私たちはそんな心配がありません。地元で消費される量しか作っていないので、最高の状態で提供できるんです。」
追熟と樹熟(木で完熟させること)の違いについて、嵯峨根さんは次のように説明してくれました。
嵯峨根さん:
「追熟は収穫後に実を熟させることを言います。完熟前に収穫して、輸送している間や店頭に並ぶ頃に完熟した状態になるように調整するんです。でも樹で完熟させたトマトとは味が違います。樹熟させたトマトは青臭さが少なく、わずかな差かもしれませんが、口に入れた瞬間に違いが分かると思います。」
嵯峨根農園のトマトは、大きさも特徴的です。
嵯峨根さん:
「大きさはだいたい握りこぶしくらいですね。小さいものから大きいものまでありますが、大きい方が味が良いと思います。200グラムを少し超えるくらいのサイズが多いかな。なかには300グラムを超える大きなものもありますよ。」
糖度だけでなく、味わい全体のバランスを大切にしているそうです。
嵯峨根さん:
「結局、トマトは味があるんだと思います。奥深さというか。トマト特有の青臭さが美味しいんです。甘いとか単純な話じゃなくて、酸味の中に味の濃さがある。トマト好きの人にはたまらないんじゃないでしょうか。」
市販のトマトと比べると、赤さの中にもしっかりとした硬さがあるのも特徴です。
嵯峨根さん:
「完熟なのに固いのがすごいんです。スーパーで買うトマトは柔らかくなりがちですが、うちのトマトは赤くても硬さがある。だから切っても料理しても美味しいし、そのまま食べても味わい深いんです。」

嵯峨根農園では年に2回、トマトの植え付けを行っています。
嵯峨根さん:
「うちでは2月定植と8月定植の二回定植します。2月に植えたら5月から7月の3ヶ月が収穫期。8月のお盆過ぎに植えると、9月下旬から10月、11月、12月、1月が収穫期になります。」
今年は天候の影響で少し収穫が遅れているそうです。
嵯峨根さん:
「今年はちょっと寒かったこともあって、収穫が少し遅れています。本来なら4月中旬くらいから収穫できるはずでしたが、今年は遅くなりました。温度管理のために使う燃料代もかなりかかるので難しいところです。」
舞鶴という土地柄を活かした栽培方法も特徴的です。
嵯峨根さん:
「うちの農園は海がすぐそこなんです。潮風を感じた甘いトマトというか、ミネラルたっぷりのトマトになっているかもしれません。空気中の水分も吸収するので、海からの塩分も少しは入っているかもしれませんね。」
トマト栽培において、温度管理は非常に重要な要素だそうです。
嵯峨根さん:
「トマトは積算温度といって、花が咲いた瞬間から赤くなるまでに必要な温度が決まっているんです。だいたい1,100度から1,200度くらいで赤くなります。だから夏は早く赤くなるけど、冬はどうしても時間がかかるんです。」
冬場の温度管理には特に気を使っているといいます。
嵯峨根さん:
「トマトの限界温度が8度か9度と言われていますが、それだと発育が遅すぎるので、冬はボイラーで17度くらいに保つようにしています。青いトマトを冷蔵庫に入れると色の変化が止まるんですよ。温度が低すぎると赤くならないんです。だから冬の温度管理は本当に重要なんです。」
日照条件も重要な要素だといいます。
嵯峨根さん:
「夏は太陽をさんさんと浴びて、みずみずしいトマトができます。でも冬は山影になるので、どうしても日照時間が短くなります。夏は太陽が高い位置にあるから5時、6時まで当たりますが、冬は2時、3時には日が入らなくなります。だから冬は特に植える間隔を広めにして、一つ一つに十分な光が当たるようにしています。」
トマトの水やりについて、意外な事実を教えてくれました。
嵯峨根さん:
「水は切ったら甘くなると言われますが、実はトマトはかなりの水を必要とします。人間と同じで、暑い時には水が欲しいんです。夏のピーク時は1日に10回くらい水やりをすることもあります。今の時期でも5回くらいです。冬はもっと少なくて1回か2回程度ですね。」
植物の健康状態を守るための工夫も欠かしません。
嵯峨根さん:
「植え付け間隔は約50センチくらいで、光がしっかり当たるようにしています。夏は多めに植えて、冬は少なめに植えるんです。要は光の問題なんですよ。光がたっぷり当たるほど良いトマトができます。」
多くのトマト栽培では実を間引くことがありますが、嵯峨根農園では間引きをしないそうです。
嵯峨根さん:
「基本的にうちでは間引きはしません。そもそもだいたい一段で3個から5個くらいしかつきませんし、最初から適度な数になるんです。間引きするということは大きくしたいという意味合いがありますが、うちは小さいトマトも商品になります。小さなトマトでも美味しいですし、お客さんに喜んでもらえます。」
産地による違いも大きいようです。
嵯峨根さん:
「大規模な産地では規格外のものは受け入れてもらえませんが、うちは直接販売もしているので、B品でもちゃんと商品になります。形がちょっと悪くても、味は変わらないので、むしろお得に買っていただけるチャンスになりますね。」
最後に、美味しいトマトの見分け方について伺いました。
嵯峨根さん:
「トマトの底に放射線状に白い筋が入っているのをスターマークと言います。これが目立つとよく熟したしるしとされていますが、実はうちのトマトは全部に入っています。これは新鮮な証拠なんです。時間が経つと黒っぽくなったり、おばあちゃんのシワみたいになってきます。あとはヘタが立っているのも新鮮な証拠です。きゅうりと同じで、鮮度が落ちるとヘタがしなびてきます。」
嵯峨根農園のトマトは地元で多くのファンがいます。
嵯峨根さん:
「意外とファンが多いんですよ。海の京都市場で買ったトマトの人とか、うなづきさんとかもファンです。松岡さんもファンで、リピーターがちゃんと定着しているんです。やっぱり一度食べた人がまた買いに来てくれるのが嬉しいですね。」
嵯峨根さん:
「一番のおすすめは、そのまま生で食べることです。トマトそのものの味を楽しむのが一番だと思います。スライスしてサラダにするのも良いですね。」
美味しいトマトの魅力をお伝えするため、まいぷれ編集部ではレシピを考案し実際に作ってみました!

トマト:1個
パスタ(カッペリーニ):150g
オリーブオイル:少々
塩:少々
粗挽き黒胡椒:少々
イタリアンパセリ:お好みに応じて
※カッペリーニはすごくお腹にたまるので、普通のスパゲティの分量より少なめにするのがオススメです
甘みよりも酸味のしっかりしたトマトなので、料理としての相性は抜群!実がとてもしっかりしているので角切りにしても崩れにくく食べごたえがあります!
トマト:1個
うどん:2玉
お好みの具材:適量
ストレートめんつゆ:200ml
これからの暑い時期、食欲が落ちていてもスルッと食べられます。トマトの酸味がいいアクセントになっていて、めんつゆとの相性も抜群です!
トマト:1個
卵:3つ
塩・胡椒:少々
サラダ油:大さじ1
顆粒の鶏ガラスープの素:小さじ1/2
ごま油:大さじ1/2
実は中国では定番の料理で、ごま油の風味が加わることでよりトマトの味わい深さが際立ちます!
嵯峨根農園のトマトは、以下の場所で購入することができます。
出荷規格には贈答用とスーパー向けの2パターンがあります。贈答用は海の京都市場やふるさと納税で購入でき、スーパー向けは地元のスーパーマーケットで手に入れることができます。
嵯峨根さん:
「販売時期は、5月中旬から7月末まで、そして10月下旬から1月下旬までです。ぜひ旬のトマトを味わってみてください。」
嵯峨根農園では、トマトの他にも万願寺とうがらしやいちごなど、季節の野菜を栽培しています。農園での直接購入も可能ですので、美味しい野菜を求めて訪れてみてはいかがでしょうか。
嵯峨根農園のトマト栽培は、大量生産とは一線を画す、丁寧さと情熱に満ちたものでした。一つ一つ木で完熟させ、手作業で収穫するこだわりは、そのまま味わいに表れています。
「みそら64」という品種を活かし、海の近くという立地条件を生かした栽培。トマトの本来の味を引き出すための温度管理や水やりの工夫。見た目だけでなく、味にこだわった選別方法。そのすべてが、嵯峨根農園ならではの美味しさを作り出しています。
完熟ながらも硬さがあり、酸味と旨味のバランスが絶妙なトマトは、地元舞鶴で多くのファンを獲得しています。スーパーの棚に並ぶトマトとは一味違う、本物の味わいを求める方は、ぜひ一度嵯峨根農園のトマトを味わってみてください。木で完熟させた「完熟ぼり」トマトの魅力にきっと引き込まれることでしょう。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。